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沖縄からも多くの化石
 慶良間諸島の屋嘉比島・慶留間島・阿嘉島の3島にはニホンジカが生息する。一般にケラマジカと呼んでいる亜種である。かつては久場島・渡嘉敷島・座間味島にもいたといわれる。『琉球国由来記』によれば、崇禎年間(1628~1644)に鹿児島から移入し、久場島に放したとある。慶良間諸島のニホンジカは、おそらく記録どおりの移入種であろうが、もともといたとする説もある。と言うのも、琉球石灰岩の割れ目からは、リュウキュウジカ・リュウキュウムカシキョン・ノロジカ・ミヤコノロジカ、そのほか数種類のシカの化石が見つかっているからである。
 リュウキュウジカは沖縄島・久米島・石垣島などで発見されているが,ニホンジカとは異なる古いシカである。
 リュウキュウムカシキョンは,現在中国からミャンマーにかけて生息するマエガミジカに近縁の古いタイプで、体長80センチメートルほどの小型のシカである。 
 ノロジカは、沖縄島や宮古島から発見されている。かなり大きなシカであったようだ。ノロジカは現在、旧北区に広く生息している。
 それぞれの足に複数のひずめをもつ動物を偶蹄類と呼び、日本ではシカ科、イノシシ科、ウシ科(カモシカ、家畜)がいる。ボルネオでは、さらにマメジカ科が生息する。
 ボルネオに分布するスイロクは、頭胴長(鼻先から尻まで)2メートル、体重100キログラムに達する大型のシカである。ツノは30~60センチくらいで、大きいものでは三つ又に成長する。体型や大きさはニホンジカに似ているが、全体に暗褐色で、ニホンジカのように尻が白かったり、体に白斑がでることもない。

島民の重要なタンパク源
  イロクはインドから中国南部、東南アジア、スマトラなどに分布し、ボルネオでは全域に生息している。夜行性だが、早朝や夕方も活動している。森林に棲み、農園や耕作地には出てこないが、夜間は林道に出て、灌木の若い葉やつる植物を食べる姿が目撃される。 スイロクは、森林であればどこにでもおり体も大きいので、島民の重要なタンパク源である。特にイスラム教徒はイノシシを食べないので、シカは珍重されている。木のバネを利用したワナか、イヌを使って追い出し槍で突く猟が行われる。サバにしてもカリマンタンにしても、許可なしでの狩猟は禁止されているが、いなかのタムー(定期的に開かれる市)やパサール(常設市場)には、いつもシカの肉が並んでいる。
シカのオスには、毎年生え替わるツノがある。ボルネオではスイロクのほか、インドキョンとボルネオキョンという2種類のキョンが生息している。
キョンはオスに限って上あごの犬歯が長く発達する。どちらも頭胴長90?、体重は大きい個体でも17キログラムくらい。黄褐色をしているので、一瞬の目撃ではイヌかと思うことがある。初めて森に入った夜、時々、ウォーッという短くて甲高い声がするので、不安をおぼえたことがある。あとで知ったのだが、これはキョンの声だった。オス・メスともよく鳴き、ホエジカとも呼ばれている。
マメジカとは、マメジカ科の動物で、大きさはウサギくらい。足は細く背中は弓状に丸くなっている。ツノはないが、オスの上あごの犬歯が発達し、口から外へ突き出ている。森林に生息し、休息をはさみながら昼夜とも活動している。特別の武器があるわけではなく、敏捷な動きと速い足、どこにでももぐり込める小さな体が、かろうじて敵から身を守ってくれるのだろう。島民はかごワナで捕らえて食用にしている。
第24話 服装

第23話 シカの仲間