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果実あふれる雨季
  果実栽培は沖縄の重要産業に発展しつつある。例えばマンゴー、グァバ、パッションフルーツ、ドリアンなどである。祖国復帰前の八重山では、島バナナ、台湾バナナ、それにパイナップル以外なかったし、もちろん、山へ入ったところで野生の果物などなかった。ボルネオは違う。雨季も半ばの1月になると、山は果物であふれている。ドリアンは栽培種に比べたらずいぶん小粒だが、香りが強く大変おいしい。私は拾い集めたドリアンを観察台で食べながら、暗くなってから来るヤマアラシやマメジカ、クマを待ったものである。パンノキの仲間はパラミツ(ジャックフルーツ)、コパラミツ、スクン、タラップなど昔の集落跡で野生化したものや、野生種もある。他にも色々あって、「人間、働かなくても生きていけるわ」と思うことがある。しかし、そんな恵まれた日々は1ヶ月も続かない。
 ボルネオを含む東南アジアは、トロピカルフルーツの宝庫である。ここを起源とする果物が大変多いことと、移入種の栽培も定着している。
東南アジアを起源とする主要な果樹にはバナナ、オレンジやグレープフルーツ、ザボンなどの柑橘類,マンゴー、ランブタン、マンゴスチン、ドリアン、ジャックフルーツ、フトモモ、スターフルーツなどがある。一方、パイナップル、パパイア、アボガド、バンレイシ、グァバ、パッションフルーツなどは、16世紀以降,新大陸から導入されたものである。中でもパイナップルとパパイアは、東南アジアでは、バナナについで高い生産量を占めている。この他、局地的に栽培されているものが約300種類あるし、また、建材、薬用、香辛料となる植物で、果実が二次的に利用されているものが400種類もある。これらの多くは野生種で、山地の農村で自家消費されるだけで、都市の市場に並ぶようなことはない。

バナナはテンプラでも食べられる
  よく知られた果物を紹介しよう。バナナの原産地はインドからマレーシア、ニューギニア。今は全世界の熱帯で栽培されている。多くの品種があり、糖分の多い品種は生食用、デンプンの多い品種は煮たり焼いたり、油で揚げたりする。ピサンゴレン(バナナのてんぷら)は街角のどこでも売っており、昼食がわりに食べる人も多い。
 マンゴーは庭にも植えるし、熱帯林には野生種も多い。完熟果を生食するほか、未熟の果実は、野菜として、また調味料として利用する。マンゴーはウルシ科の中高木で、食べる際にかぶれる人もある。 
パラミツは10~20??になる長楕円形の巨大な果実をつける。種子のまわりの黄色く甘い果肉を生食するが、未熟な果実は野菜として煮物に使う。パンノキもパラミツと同じ仲間で、フットボール大の果実をつける。熟した果実を生食するし、若い果実はデンプン質に富むので、野菜として煮たり蒸したりして食べる、また、種子を炒って食べる。
「果物の王様」であるドリアンは、果皮の表面に角錐状のトゲがあり、マレー語で「トゲのあるもの」の意味。栽培種の果実は直径30?になるが,熱帯林には野生種も多い。種子のまわりの甘いクリーム状の果肉を食べるが,強烈な臭気がある。
「果物の女王」と呼ばれるマンゴスチンは、直径6から7?の球形の果実を結び、赤紫色の厚い果皮を割って、中の白い果肉を食べる。果肉は柔らかく多汁で,さわやかな甘味と酸味がある。熱帯果実の中で、おそらく日本人の口に一番合う味ではないだろうか。
ランブタンはマレー語で「毛のあるもの」の意味。果実は直径5?前後の球形で、柔らかくて太い毛で覆われている。果肉は半透明の乳白色で水分が多く、甘酸っぱい。もちろん、それぞれに季節はあるが、1年を通じて果物が豊富なのも熱帯ならではのことである。

第25話 果物
第 26 話 カワネズミ