サイチョウが9種も
日本に生息する鳥類は550種を数えるが、75・が旧北区系、20・が東洋区系、残り5・が固有種である。わが国には、はじめに北方系の鳥類が大陸から南下。その後、南方系の鳥が琉球列島を島づたいに数回北上し、現在の鳥類相を形成した。
南西諸島をみると、アマミヤマシギ、ルリカケス、リュウキュウカラスバト、ヤンバルクイナは奄美大島あるいは沖縄島の固有種であるが、北方起源の鳥である。ノグチゲラの起源は分からない。オオアカゲラは奄美大島を、オシドリ、オオコノハズク、タマシギは沖縄諸島を分布の南限としている。
逆にズアカアオバト、ミフウズラ、リュウキュウヨシゴイは大隅諸島を、リュウキュウツバメ、エリグロアジサシなどは奄美大島を、オオクイナは沖縄島を、カンムリワシ、キンバトは先島諸島を北限としている。いずれも南方系の種である
日本の鳥の多くは北方系である。そのためボルネオとの共通種はシギ、チドリ、ツバメなど渡り鳥を除いて少ない。ボルネオでは、キツツキ、ハト、カッコウ、ムシクイ、カワセミ、キジやヤケイの仲間が多く、我々にとって珍しいものが多い。
サイチョウの仲間は、くちばしの上にサイの角を連想させる突起物をもつ。南アジア、アフリカの熱帯に45種が分布し、ボルネオには9種がいる。一番大きなサイチョウは全長1・、両翼を広げると150・になる。大きなくちばしと突起物はクリーム色で、付け根の部分が赤くなっている。頭から背中全体は真っ黒なのに腹と尾は純白、おまけに尾の半ばには幅広い黒い帯がある、ちょっとおしゃれな鳥だ
キュウカンチョウも野生で
カササギサイチョウはカラスくらいの大きさで、30羽くらいの群れで活動する。夕方は特に大きな群れを作り、色も黒くちょうどねぐらへ急ぐカラスのようだ。
カー、カッカッカッカッ・・・。サイチョウの声を聞くと、今、自分がジャングルにいることをいやが上にも感じさせられる。独特の声で、しかも大きく、1・・離れても聞こえる。頭上で鳴かれると、空気が震えるようだ。それに羽音がすさまじい。蒸気機関車がばく進するようだ。サイチョウは翼の下面にある雨覆い羽に隙間があるため、羽ばたくたびに空気が抜けて音がでるのである。
キュウカンチョウもいる。日本でもよく飼われている人の声をまねる鳥だ。ムクドリ科の鳥で、森林地帯で小群を作って生活する。ムクドリと異なり地上へは降りず、樹上で昆虫や木の実などを食べている。高い木のてっぺんで、ピーヨッ、ピーヨッとさえずっている姿をよく見かける。かん高い澄んだ声はスコールが去った夕方にはすがすがしく響き渡る。近くには決まって仲間がいる。キュウカンチョウはインコ、オウム類と並んで人まねが上手だが、発音の正確さ、特に母音を正確に発音する点では動物界1番だといえる。
カワセミの仲間は大形のアカショウビン、ヤマショウビン、ナンヨウショウビン、マングローブショウビンなどが目に付く。これらの鳥は,森林をぬう小さな川やマングローブに多い。川縁の杭や木の枝に止まり,舟が近づいてもじっとしていることがあるし、飛び去っては100・くらい先の木に移ることもある。水面すれすれを飛び、止まる時はフワーッと舞い上がるようにするので、どこへ移ったのか遠くからでも分かるのである。
アカショウビンは、沖縄では5月から普通に見られるが、夏の終わりにはいなくなってしまう。もっと南のミンダナオやボルネオで冬を過ごすのである。
第33話 首狩り
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