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沖縄と共通するヘビの仲間
 爬虫類は,ヘビ,トカゲ,カメ,ワニを含めた仲間である。日本には陸生種が70種ほどいる。旧北区系のものを主体とし,それに東洋区系のものが加わって形成されている。
沖縄県全域を含むトカラ海峡以南の南西諸島からは,46種が知られる。トカラ海峡を上げたのは,ここが生物学的に大きな意義を持っているからである。ここを境界として,生物相はがらりと入れ替わり,これより北を旧北区,南を東洋区と呼んでいる。例えば,同じクサリヘビ科のヘビで,マムシの仲間は北海道から屋久島まで。トカラ海峡の南ではハブの仲間に置き換わっている。トカラ海峡以南の46種をみると,5種は帰化種で,もともとこの地域にはいなかったものである。人為的あるいは何らかの物資に紛れて侵入し棲み付いてしまった。残りのうち26種がトカゲとカメ。そのほかの15種がヘビである。
ハブ,ヒメハブ,リュウキュウアオヘビ,アカマタ,キクザトサワヘビなど世界でもここだけに分布する固有種が多いのは,南西諸島が島となってからの歴史が長いからであるが,同時に近い仲間は,同じ東洋区の生き物として,東南アジアに分布している。
 ボルネオ島には20種の海棲種を除いて,133種のヘビが分布している。中でもナミヘビ科が104種と多く,特にヒメヘビやスジオの仲間が含まれるナミヘビ亜科と,ガラスヒバァの仲間であるヒバカリ亜科が極めて多い。
ヒメヘビ属は全長15~40・の小さなヘビで,全身が光沢のあるウロコで覆われている。ミミズや小昆虫を食べているらしいが,林道上や側溝で,死んで乾燥したものを頻繁に見かける。ボルネオには22種が分布しているが,いずれもよく似ているので,専門でない私には種の判別は難しい。沖縄ではミヤコヒメヘビとミヤラヒメヘビがいる。ハブ属は4種。別属のヨロイハブは鮮やかな緑色をしているが,角ばった顔で,いかにも怖そうだ。

コウモリを襲うスジオ
 八重山に分布するスジオは,日本最大のヘビである。ボルネオでは洞穴の真っ暗なところにもいて,専らコウモリを襲っている。
イワサキセダカヘビは西表・石垣に分布する小型のヘビで,樹上に棲みカタツムリやナメクジが主食である。ボルネオには同属が5種もいる。
ウミヘビはすべてコブラ科に分類される。コブラ科で陸棲のものは,ボルネオには6種が分布する。このうちコブラはネズミなど小哺乳類を,キングコブラは専らヘビやトカゲなど爬虫類を食べている。沖縄では,沖縄島と周辺の島にハイが,西表・石垣にイワサキワモンベニヘビが,それぞれ分布する。
ボルネオには有毒蛇も多い。森に入っただけではほとんど見ることがないが,これは,我々が気づかないと同時に,ヘビも積極的に人を襲うことがないと言うことなのだろう。ところが,その気になって探すと,山道の脇などで結構見つかるのである。水たまりやぬかるんだ所にヘビはいないが,林内で下草が茂った場所は注意したほうがよいし,特に灌木の葉が茂った所には,ヨロイハブ,マングローブヘビ,ハブの仲間がいる。
 コブラは農道や村落内,キャンプ地のバンガロー周辺に比較的多い。逆にキングコブラは川や森林内の沢近くに潜んでいる。そんな中で,私が常に気をつけているのはニシキヘビである。無毒だが,6・を超す大物になると咬まれた時の傷で命取りになる。村里近くに大きなものはいない。ニシキヘビの皮は高く売れるから,大方,捕りつくされてしまったのだ。ところが,奥地の山では,獣道でマメジカやイノシシを待ち伏せているのである。

第35話 入れ墨

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第34話 爬虫類