パーソナルツール
現在の場所: ホーム うりずんMagazine boruneo38.html
« 2010年 9月 »
9月
12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
27282930
urizn group

 urizntokyo

payao

 

boruneo38.html

改宗で消えた行事
 沖縄にはたくさんの行事がある。1月は、「初節目」、「初起し」、「年日祝い」「七日節句」など、新年・豊年・子孫繁栄の祈願。「十六日祭(新霊・ミーサー)」のような新仏の供養もある。
2月「麦穂祭」、「彼岸祭。3月「三日の節句」,「清明祭」。4月「畔払(アブシバレー)」。5月「御祭(ウマチー)」。四日の日(ユッカヌヒー)」、この祭に爬竜船競争がある。
6月「稲大祭・豊年祭」。綱引きは、もともとはこの祭を中心に行われるものだった。7月「盆祭」、沖縄ではエイサー、八重山ではアンガマが行われる。
8月「はっさく八朔」「十五夜」。9月「米種子(マーダニ)」。10月「種取(タントイ)」。11月「新早植(アラサウエ)」、「芋節目(イモシチミ)」。12月「鬼餅(ムーチー)」。「年の夜」、これは一般の大晦日で、豚肉の料理などを供えて年越しをする。もっとも、こういった行事のすべてが現在も継承されているわけではない。
ダヤク諸族は、すべての事物に精霊が宿るというアニミズムであったから、それに関する行事も多かったはずである。ところが、1930年代にキリスト教が入ったことで、ほとんどが無くなってしまった。プロテスタントはキリスト以外のすべての神を否定したのである。年越しの儀式さえクリスマスの延長として新暦で行われる。カソリックはアニミズムを認めつつ浸透したために、カソリックに改宗したカヤン、バハウ、ブヌア族には多少とも伝統的な行事がある。

害虫・害獣追い出す踊り
 すべての部族に共通して、盛大に行われる行事は収穫祭である。例年、稲の収穫を終えた3~5月に行われる。
クニャ族の収穫祭のときである。婦人たちの、いつもの巻き踊りと違って、途中から衣装が皆と異なり、しかも箱を被った数名が登場する踊りがあった。箱はクニャ族の紋様を描いたビーズ編みやサイチョウの羽根で飾られている。「何事だろう」。私は驚いたが、「まあ、しばらく」と、興味津々で鑑賞していた。内容は物語のようだ。箱をかぶった人たちは、しばらく公民館の中央を我がもの顔で動いていたが、そのうちに大勢の普通の踊り手に追い詰められ、最後は観客席、つまり、舞台から追い出されてしまった。
雰囲気から嫌われ者か厄介者らしいと分かったが、箱の意味が理解できず、私は、私を招待してくれた神父さんに尋ねた。彼によれば、箱を被ったものは、イノシシ、シカ、スズメや小鳥類、バッタやイナゴなど、すべての害獣と害虫を表しているのだそうだ。
踊りは、畑を荒らす敵を皆で追い払い、豊作を迎えるという話だったのである。
ダヤク諸族はすべて農耕民族である。彼らにとってイノシシやシカは厄介者なのである。ダヤク諸族は住居や公民館、稲倉、晴れ着などに部族固有の紋様を描くが、そこにはイノシシやシカは登場しない。また、子守用の背負子や儀式用具に付ける装飾品にイノシシの牙やシカの角も使わない。すべてウンピョウやマレーグマ、ヤマネコ、シベットなどの毛皮や牙を用いる。彼らにとって肉食動物は正義の味方なのである。
マハカム川中流にタンジュンイスイというブヌア族の村がある。カリマンタンでは最も早く観光化されたところである。きれいに着飾った娘さんたちの巻き踊りや吹き矢の実演が売り物である。男性がつけるペンダントを見ると、イノシシの牙やセンザンコウのうろこが使われており、木彫りの人形や木の実まで紐に通してある。それはそれで面白いのだが、これは、みやげ物として新たに作られたものなのだろう。

第39話 花と街路樹

bkujira.jpg
第38話 行事