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| 越冬ツバメ群れる 日本で見るツバメは決まって純白の胸をしているが、そろばんの珠のように並んだツバメを観察してみると、白い胸に薄茶色の煤けた模様が入っているものや、赤茶色の胸のものも混じっている。赤茶色のものは、沖縄などで繁殖する別種リュウキュウツバメに間違いないが、煤けたものはどうなのだろうか。鳥に詳しい知人に尋ねたら、胸全体が白色のものは日本から来たもの。煤けたものは中国大陸から来たものだが、どちらも同じ種類のツバメだという。鳥には国境などないから、こうして一緒に冬を越すのである。 私は今、ケニンガウから14・離れた山中に住んでいるが、日中、町へ下りても、1羽のツバメも見ることが出来ない。いや、厳密に言えば、留鳥としてここで繁殖するヒメアマツバメやアナツバメの仲間ははいつでも観察することができる。冬越しに来たツバメは、昼間は川や田んぼを飛び交っては、虫を食べている。 夕方6時半。真っ赤な夕焼けを背景にツバメの群れが戻ってくる。かたまりとなって飛ぶ様は、にわかに生じた真っ黒な雨雲のようだ。そんな群れが1つ2つと増え、様々な弧を描きながら、くっつき離れ、重なりながら上空を旋回する。頭上に来たときはザザーッとスコールのような音になる。すべてのツバメが降りたった頃は、町はすでに夜の景色に変わっている。 ボルネオは9~10月が1年に1度の田植えの時期である。「ツバメはね,田植えの頃、決まってやって来るよ」。現地の友人の言葉に、私は、ふと日本のことを思い出した。 ツバメよ。心あらば教えて欲しい。我が妻や子どもたちは元気でいてくれるだろうか。都鳥に問う在原業平の心境である。 田植えのころの風物詩 |
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| 第43話 ツバメと渡り鳥 |
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