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| 安間 繁樹 | ||||||||||||
| 16話 たった1度の冬山登山(その2)。入山前に遭難? | ||||||||||||
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金峰山へは、中央線の韮崎でバスに乗り換え増富ラジウム鉱泉に入り、そこから歩く予定でいた。例年になく雪が多い年の、しかも2月。出発の朝も、東京の雨は八王子あたりから雪に変わった。それも半端な降り方ではない。この調子ではバスも運休になるだろう。
「進退きわまるときは、やむを得ずビバーク。これは山行きの鉄則だ」などと力むほどのことではないが、韮崎まで行ったら旅館代もかかるので、急きょ予定を変更し甲府で下車した。甲府には叔父さんがいるから、そこに泊まって、天候の回復を待つことにする。叔父さんは僕の父兄弟9名の長男で、長らく警察署に勤めていたが、すでに定年を迎えている。おじさんと会うのも久しぶりだ。 風呂から上がると、すでに掘り炬燵のテーブルで、すき焼きがグツグツと煮たっていた。どんな話が出たのか、まったく記憶がないのだが、まあ、2升くらい飲んだかな? おじさんが酔って居眠りを始めた頃には、すでに、おばさんが僕と土屋くんの床を準備しておいてくれた。しかし、ゆっくりするのはいっこうに構わない。僕は何を考えたのか、飲み足りないのか、廊下においたザックからウィスキーを取り出そうと試みた。山で飲もうと持参した1リットル瓶である。ところが、割れないようにと幾重にも衣類でくるんであったから、なかなか出てこないのだ。僕がゴソゴソ続けているので、気になったのか土屋くんがやって来たのだが、ちょうど、その時、ウィスキーの瓶が顔を出した。彼も喜ぶと思ったが、「ま、待ってくれ。こんな所で遭難したら・・・」と、意外な言葉。土屋くんが酒を拒否したのは、後にも先にもこの1回だけだ。よほど緊張しているのかな? さあ、この先、無事、金峰山へ登ることが出来るのだろうか。あやうし、あやうし。 |
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| 17話 無人小屋の戸を開く。 | ||||||||||||



