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安間 繁樹
23話  25年の記録が豪雨で消失。脳はアルコール変性でダメージ。

土屋くんとの東京時代は,2年か3年の短いものだった。僕が初めて沖縄を訪ねたのが大学3年の時。先輩から土屋くんを紹介されたのは,その後である。土屋くんは大学卒業後も東京に留まり,沖縄へ戻ったのは1年以上たってからだが,僕は大学で,2つの学部を出るのに7年間を費やした。その間に2人の東京生活が数年間,重なっているのである。
鮮明に覚えている事と言ったら,渡口さんの部屋で初めて会った時のこと,奥多摩へのハイキング,それに冬山である。それ以外は,良く酒を飲んだこと。黙々と飲むわけではないから,いろんな話をしたはずだが,具体的なことは覚えていないのだ。脳がアルコール変性を起こし,記憶が失われたのかも知れない。皆さんも気を付けたほうが良いですよ。 
2人が特に親しかったのは,似たような生活だったし,いなかの話や夢を聞いたり話したり,同じ時間を共有できたからだろう。音楽を聴いたり本も読んだりして,お互い自分なりの芸術論をぶったはずだ。ただ,政治や宗教の話はなかったと思う。そのあたり,僕はうとかったし興味もなかった。それに,宗教は考えが同じなら良いが,違ったら親兄弟でさえ殺し合う(これは昔の西洋のことだが)というではないか。
僕は小学校から日記をつけ,大学をでるまでほとんど欠かした日はなかった。それで,「連載は,当時の記録からなの」と聞かれたりするが,これは純粋に記憶によるものである。大学を出て石垣島で教員をしていた1970年,静岡の実家が豪雨でやられた。「たなばた豪雨」と名がついた大きなものである。それによって,日記・アルバムなど,いわば生きてきた証がすべて失われてしまった。残っていれば,土屋くんの,もっと大切な,あるいはおもしろい話,貴重な写真を紹介できたかも知れないのに。残念だ。 

24話  飲んで語って歌って。学生時代の安酒「はしご飲み」。